今週も番組にお付き合い頂きありがとうございました。
明日、２月８日は旧正月。
日本では新暦でのお正月を祝うことがほとんどですが、
沖縄では旧暦の行事が今もたくさん行われており、
旧正月も大切にされています。
昨年の番組でもご紹介しましたが、
この時期に沖縄の市場やスーパーなどへ行くと、
普段は見られないお正月ならではの食材が並んでいます。
また、今では伝統芸能の世界など一部だけとなっているそうですが、
旧正月に年賀状を出す習慣もあるんだとか。
ぜひ、受け取ってみたいものです。
さて、今週は音楽プロデューサー・作曲家 普久原恒勇さんの楽曲を紹介する
普久原メロディー特集 第３弾をお送りしました。
ピックアップした曲は「ゆうなの花」。
この「ゆうな」というのは、どんな花がご存知ですか。
ハイビスカスの仲間で、漢字では右納と書きます。
とても鮮やかな黄色ですが、夕方には色が変わり、
ポトっと落花します。
そんな儚いゆうなの花のように、
せつなくて少し寂しいようなメロディーの「ゆうなの花」。
作曲はもちろん普久原恒勇さん
作詞は朝比呂志さんです。
まず始めにお届けしたのが、１９６５年録音のオリジナル。
当山達子さんが歌っています。
EP盤ちんぬくじゅうしいのB面でした。
番組ではこのCDからお届けしました。
続いて、お届けしたのは宮けいこさん・里なおみさんによるゆうなの花。
こちらもオリジナル同様、落ち着いたテンポでせつない感じがします。
そして、３曲目にお届けしたのは、
今風にボサノバにアレンジされたゆうなの花。
前２曲と比べて少しテンポも速く、さらっとした印象です。
nagakoさんが歌っています。
今日で３大普久原メロディーを紹介し終えましたが、
特集はまだまだ続きます！来週もお楽しみに。
２月に入り、今月の歌も変わりました。
２月は、普久原恒勇さん作曲、朝比呂志さん作詞の「我した村」です。
我した村とは、私の村という意味で、
オリジナルは１９７０年に宮けいこさん・里なおみさんが歌っています。
今日からお届けする「我した村」は、このオリジナルではなく、
新垣勉さんのバージョンです。
ゆったりしていてメロディーももちろんいいのですが、
歌詞にも注目してみて下さい。
いくつか難しい言葉がありますので紹介します。
まず、１番の歌詞。
「並松」という言葉が出てきますが、これは「なんまつ」と読みます。
写真は普久原恒勇さんの戦前の実家近くのリュウキュウマツ。
歌詞の中の並松はこんな感じでしょうか。
（芭蕉布 普久原恒勇が語る沖縄・島の音と光より）
リュウキュウマツは沖縄県の木です。
これは久米島の五枝の松で樹齢２５０年の国指定天然記念物です。
続いて、２番の歌詞。
「ディグぬはな」というフレーズが出てきますが、これはデイゴの花のこと。
デイゴは沖縄県の花です。
そして、３番の歌詞。
「くねんぼ」。これは沖縄の言葉ではありません。
漢字では「九年母」と書き、みかんの事を指します。
沖縄の言葉でいうと、「くにぶ」または「くんぶ」。
みかんの実がなるまで九年かかることから、こう呼ばれています。
言葉の意味がわかると、聞こえ方も変わると思います。
２月は毎週、この曲をお届けします。
ぜひ、歌詞にも注目してお聞き下さい。
九年母と言えば、向田邦子さんのエッセイにも紹介されていた
知る人ぞ知る琉球伝統銘菓 橘餅（きっぱん）。
原料に九年母が使われています。
かつて、琉球王朝で高位の人しか口にできなかったお菓子です。
作るのにとても手間がかかるため、現在では、那覇市松尾の
謝花きっぱん店でしか作られていません。
こちらで、きっぱんとともに作られているのが冬瓜漬。
冬瓜を砂糖煮にしたものです。
切り分けるとこんな感じです。
店内には冬瓜が並べられています。
ちんすこうや洋菓子もいいですが、
こんな上品なお菓子を沖縄土産にするのも素敵ですね。
来週も楽しい沖縄情報をお届けします！
どうぞ、お楽しみに。
〈今週の曲〉
Ｍ１ ゆうなの花 ／ 当山達子 アルバム「ＲＢＣラジオホームソング復刻版」より
Ｍ２ ゆうなの花 ／ 宮けいこ・里なおみ アルバム「芭蕉布／普久原恒勇」より
Ｍ３ ゆうなの花 ／ nagako アルバム「SAR HOO HOO」より
Ｍ４ 我した村 ／ 新垣勉 アルバム「命どぅ宝」より
番組では、皆様からのメッセージをお待ちしています。
ぜひ、お寄せ下さい！！
FAX:06-6832-8370
E-mail ：nocorin@senri-fm.jp
『沖縄へいこう』
毎週日曜日13:30～14:00放送中！
