こんにちは!
北千里アワー木曜日を担当しています、高山香純です!
今週の「やってんねん関大!おおさかまち探し」のコーナーは、
文学部3年生の小出梨菜子さんにお越しいただきました!
今回小出さんは摂津市のランドセル無償配布についてお話してくれました!
京都の長岡京市出身の小出さんは小学生の頃、
ランドセルではなく布製の「ランリック」を使用していたんだそうです。
ランリックは1967年に、ランドセルが購入できないことで
いじめが発生していたことを問題視した
長岡京市のある小学校の校長により考案されました。
現在でも京都府南部の多くの地域で採用されています。
ランドセルの平均購入額は4万円であり決して安いものではありません。
理由はその素材。高価な天然皮革の代わりに
人工皮革を使用したとしても安価になるわけではありません。
そこで今回は、革製のランドセルではなく布製ランドセルを
市として採用している摂津市の市役所へ取材してきてくれました。
摂津市では毎年小学一年生に布製ランドセルを無償で配布しています。
入学祝いと家庭の経済的負担軽減を目的に始まり40年以上続いている取り組みです。
その受給率は毎年95%以上で、今年も12月初旬に配布されます。
革製でなく布製なのはコスト面の問題から。
ランリックよりも更に安価な摂津市の特注品で、
赤と青の二種類で摂津市のマークが記されています。
ランドセルの配布は地域の毎年の恒例行事となっていて、
かつてランドセルを受け取った小学生が大人になり、
その子供がまたランドセルを受けとるということも珍しくないそう。
取材に応じてくれた市職員の窪さんも子供の頃にランドセルを受け取った1人です。
そんな摂津市民にとっての「当たり前」の取り組みですが、
続けていくことは簡単ではありません。
2016年のアンケートでは、「配布されたランドセルを使用している」という項目に対し、
1年生は「はい」が97%、6年生は「はい」が18.2%でした。
使わなくなった理由で一番多かったのは「壊れたから。」
ランドセルの強度は万全とはいえません。
しかし、1つあたり元々約3000円だった布製ランドセルは
原材料の価格高騰のため7年前から約5000円に。
コストが変わらない範囲で改善を繰り返し
大きく「変えない」ことで現在もこの取り組みを続けています。
たとえ6年間使うことができなくてもこの取り組みがもつ意味は
大きいと感じると小出さんは話してくれました。
入学準備でたくさんお金がかかる時期にランドセル代分の負担がなくなること、
特定の家庭だけでなく市内のどの家庭にも平等に行うことにより
経済格差を表面化させることを防ぎいじめの防止にもつながります。
他にこのような取り組みをしている地域は茨城県の日立市しかありません。
堺市では布製のランドセルを2つの小学校で使用していますが、
市全体の取り組みにはいたっていません。
元々子育て支援に興味があるという小出さん。
相対的貧困の増加や少子化社会といわれている現代、
布製ランドセルの普及など少しでも子育て世代の負担が軽減される取り組みが
広がっていくのが大事なのではないかと話してくれました。
また、ランドセルという一つのカバンに対して
「どうして革製でなければいけないのか」という部分から疑問を持っていくことで、
世の中の当たり前が変わることもあるのではないかとも話してくれました!
小出さんありがとうございました!
それでは、今回はこの辺で。
高山香純でした!!
『北千里アワー』
毎週月曜日~木曜日午後4時~6時オンエア