こんにちは!
北千里アワー木曜日を担当しています、高山香純です!
今週の「やってんねん関大!おおさかまち探し」は、
深井麗雄先生にお越しいただきました!
今回は、北海道砂川市のいわた書店についてお話していただきました!
砂川市は札幌から車で約100分ほどの場所にある、
人口1万7千人ほどの街です。かつては炭鉱の街として栄えました。
この街にあるいわた書店は、現在の店主、
岩田徹さんの父親が炭鉱マンから転身して始めました。
石炭が主要産業であった当時、仕入れさえすればどんどん本は売れたといいます。
その後、父親の跡を継いだ岩田さんですが、
1998年をピークに全国各地の書店の売上は減少し始めます。
規制緩和によりショッピングモールの建設が盛んになり、
シャッター商店街が目立ち始めた時代です。
いわた書店もその流れに巻き込まれ始めます。
郊外型の大型書店の出店には、店舗の規模も利便性も敵いませんでした。
さらには書店経営だけでなく町内会や商店会のことにも気を配る必要がありました。
毎晩のように集まりに顔を出し、疲労は蓄積していきました。
その結果、体調を崩し、入院を繰り返すことになります。
何度も家族やスタッフの支えで生還を繰り返す中で、
周りでの人たちの幸せを願う思いから、
大型店との「量の競争」をやめる決断をしました。
取次との関係ばかりを考えていた仕入れを見直し、
「売れる本」「流行りの本」ではなく「売りたい本」を置くようになりました。
また、ホームページやブログ、地方紙への投稿により情報発信も強化しました。
そして8年ほど前、「一万円選書」がスタートしました。
きっかけは岩田さんがたまたま参加した飲み会。
病院の院長や社長などをしている高校時代の先輩から一万円を手渡され、
「これで読みたくなるような本を選んで欲しい」と頼まれたのです。
仕事が忙しい先輩たちは、なかなか自分の好きな本を選ぶ時間がなかったわけです。
プライベートで始まった一万円選書をお店でも始めました。
お客さん一人一人の読書歴を聞き、一万円相当のその人にあった本を選んで届けます。
続けるうちに、読書に関わることだけでなくお客さんの過去の話を聞くなど
人生相談のようなやり取りをしながら選書するようになっていきました。
徐々に口コミで広まっていった頃、NHKで取り上げられ大反響、
あっという間に全国各地から問い合わせが来るほどになりました。
メディアで取り上げられた翌日には数百通のメールが一気に届くこともあったそう。
順番待ちの人もどんどん増え、現在は抽選での対応となっています。
読書に力を入れている関西大学では、
この一万円選書に似た取り組みを
大学の図書館でお試しで実施する予定だそうです。
一人一人と向き合う、という機会が少ない現代を生きる人たちにとって、
ただ本を選んでもらうだけではない
重要なコミュニケーションの場にもなっているのではないでしょうか。
深井先生、ありがとうございました!
そして、今回の放送で私が北千里アワー木曜日を担当するのは最後になります。
来週から木曜日には新しいパーソナリティーがやってきます!
そして私は月曜日の担当にお引っ越しです!
4月からも新パーソナリティー共々北千里アワーをよろしくお願いいたします!
次は月曜日にお会いしましょう!
高山香純でした!!
『北千里アワー』
毎週月曜日~木曜日午後4時~6時オンエア