番組への
メッセージ

2021年4月15日(木)SENRI・STREET

みなさんこんにちは。SENRI ・STREET
木曜日を担当させていただいている岩本尚子です。
いつもお聴き下さりありがとうございます。

今回は桜塚の古墳群についてご紹介しました。
なんと桜塚には昔はたくさんの古墳があって現在残っている5基は
国指定史跡になっているとのことなのです。みなさんご存知でしたか?

私は以前、桜塚に住んでいたこともあり、そのような史跡があることを、
なんとなく聞いたことはあったのですが、あまり詳しくは知りませんでした。
なのでこの度、桜塚の歴史を探訪しながら
古墳のある5箇所をまわってみることにしました。

桜塚の5つの古墳は阪急岡町駅の東西に分かれていて、全て徒歩圏内にあります。
西にある2つは岡町駅からすぐ近く。
東側にある3つの古墳は、岡町駅から徒歩で12分ほどの
豊中警察署付近にあります。
 まずは駅から1番離れている、豊中警察署の南側にある
「南天平塚(みなみてんびんつか)古墳」へ向かうことにしました。
岡町駅近辺は坂道もないので歩きやすいですね。住宅街を抜けていくと、
大きな木の生えているこんもりとした丘のようなものを発見。

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ぱっと見た感じでは古墳とはわかりません。
看板と石碑が立っているのでそれが目印になります。

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この南天平塚(みなみてんびんつか)古墳は、
桜塚古墳群中でも最後の時期、5世紀後半に作られた古墳です。
古墳そのものは、この周辺が住宅地として整備された際に、
道路によって4分の3が削られ、現在では北西部分が扇型で残っているのみです。
主体部分は棺をを粘土で包む構造のもので、2基の木棺が埋葬されており、
そのうち1基は完全に残ったままだったそうです。
副葬品として様々な武具や馬具も出土されたとのこと。
こちらの丘の上は自由に登れます。
部分的とはいえ、ずっとここに残っていたというのがすごいですよね。

続いて、豊中警察署のすぐ隣りにある「御獅子塚(おししづか)古墳」へ向かいました。

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例の埴輪に囲まれている場所です。南天平塚古墳から歩いて2分ほど。
すぐ近くにあります。
近づいてみたら、柵が張り巡らせていて
中には入れませんでした。どうやら学校の敷地の中にあるようです。
中に入れないのは残念でしたが、せっかくなので周辺をまわってみました。
すると校舎の壁に「古墳築造想定図」と「古墳のようす」を描いたレリーフを発見。

これらによって古墳全体像のイメージを膨らませてみました。
それにしても校庭に古墳のある学校って珍しいのではないでしょうか。

この御獅子塚(おししづか)古墳は南向き前方後円墳で
5世紀前半でも中頃に作られたそうです。
墳丘は2段に形づくられ、2段目斜面のみに葺石を使用するという特異なもの。
埴輪は1段目のテラスに並べられていて、
それらの中には焼き質の硬い須恵器質のものも少し見られたとのこと。
後円部墳頂には2つの埋葬施設が明らかになっていて、
その中には鉄製品を中心とした武器や武具が多く納められていたそうです。
古墳っててそれぞれ形状が違い、埋葬品も様々なのですね。

そして、「御獅子塚(おししづか)古墳」の道路を挟んで
すぐ隣りにあるのが「大塚古墳」です。

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こちらをぐるっと囲んでいるのが大塚公園。

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子供さんが遊べる遊具や広場などが整備されていて、とても活気のある公園です。
何度もここは通ったことがありましたが、ゆっくり見るのは初めてです。
公園の北側に古墳があり、階段で上まで登ることができます。
大塚古墳は円墳で5世紀の前半につくられました。
本来は3段に形作られていたのですが、
現在は樹木の保護を考慮して2段になっています。
上は平坦になっていて葺石は使用されていません。
こちらにも鉄製品を中心とした武器や武具がたくさん納められていたそうです。

先ほどの「御獅子塚(おししづか)古墳」は外から眺めるだけでしたが、
こちらの大塚古墳は墳頂まで登ることができたので、
なんだかとてもワクワクしました。

市民の憩いの場と貴重な史跡が共存しているのって、素敵ですよね。
歴史ロマンを身近に感じて、ちょっぴり探検家になった気分です。

というわけで今回は桜塚古墳群、岡町駅東側にある3つの古墳をご紹介しました。
また次回、続きをご紹介したいと思います。
どうぞお楽しみに!


『SENRI・STREET』
月曜〜木曜日13:00~14:00放送中!