番組への
メッセージ

2023年6月17日(土) 蕭 秀華のちょっといいcinemaにのせて

モロッコ社会のタブーを描いた「青いカフタンの仕立て屋」。
戒律と法律から同棲愛が認められず刑事犯罪にもなってしまうモロッコ。
旧市街サレの路地裏で仕立て屋を営む夫婦が、ある青年を雇ったことで夫婦間に微妙なさざ波が訪れる姿を、静寂かつ繊細な映像で展開させていきます。
余命わずかな妻、すたれゆく伝統工芸カフタンに刺繍をしていく手仕事の技、そして男性の同棲愛。
この3つの要素を見事に完結させています。
泣きました!

「ザ・フラッシュ」
子供の頃に殺されてしまった母親と、無実の罪をきせられた父親を助けるため、時空を超えて歴史を変えてしまった地上最速のヒーロー・フラッシュ!
なんと未来は地球危機状態の世の中に様変わりしていた。
前半は笑いどころ満載。
中盤からは運命を変えられないことに気付く切なさが描かれていて、ドラマティックです。
マルチバースで時間軸がどうなっているのかと途中、一瞬?マークが出ながらも(汗)楽しめました。
30年ぶりマイケル・キートンのバットマンは嬉しかった〜!!

ボリビアで実際に起きた事件を基に執筆された小説の映画化「ウーマン・トーキング 私たちの選択」
孤立した宗教コミュニティで暮らす女性たち。
ある日、男性からレイプという不当な行為を受けていたことが発覚する。
女性たちは自分たちの生き方を選択するために、男たちがいない2日間で話し合いをすることになります。
《残る》のか《闘う》のか《出ていく》のか、それぞれの女性たちの苦しみが吐き出され、激しく衝突し、もし自分だったらと考えさせられました。
女性の議論する映像で最後まで押し切っていく会話劇。
女優陣の確かな演技が見どころです。

名バイプレーヤー光石研12年ぶりの主演映画となる「逃げきれた夢」。
まるでドキュメンタリーのようで光石研をずっと追い続け、劇中に音楽を一切使わず思い切った演出の作品です。
主人公の末永は定時制の教頭で、このところ物忘れが多くなり、ふと、今の自分を振り返ると夫婦仲は冷え切り、娘とのコミュニケーションも取れない、友人とも疎遠気味だ!と気付き、これまでの人間関係を見つめ直そうとする物語。
教え子とのラストがたまらなく好きでした!
ターニングポイントを迎えていると感じている男性の方には特にオススメです。

短期で男勝りでバイク好き!
母親との関係が良好ではない主人公の女性ジュリアが、男社会の中で自立を求めて葛藤する姿を描いた「ロデオ」。
実は何を描きたいのか、よく分かりませんでした。
が、思いもよらない展開が待ち受け、ラストにはジュリアが女性の自立を心から願い、母親との温かい家庭への憧れを持っていたのでは!?と感じた瞬間、熱いものが込み上げてきました。


映画誘人: 蕭 秀華



番組へのメッセージはこちらまで!!
FAX:06-6832-8370
E-mail :nocorin@senri-fm.jp

『蕭 秀華のちょっといいcinemaにのせて』
every Saturday pm3:00-pm4:00 O.A