みなさん、こんにちは。
「ごきげん千里837」
中野寛成さんと共にお送りしている中村佐織です。
ひぐらしが鳴き始めると、日差しは強くとも
そろそろ夏の終わりを感じるようになります。
だからといって、立秋は過ぎたのいうのは
何だか違和感があります。
落ち着かない季節です。
さて、今週の「唄って!寛成さん」のコーナー。
8月は平和について考えることの多い月です。
「長崎の鐘」を歌っていただきました。
元々「長崎の鐘」とは、
日本の医学博士であり随筆家の永井隆が執筆した随筆。
その内容をモチーフにしたのがこの歌です。
随筆は1946年(昭和21年)8月には書き上げられていましたが、
当時はGHQ)の検閲により、
すぐには出版の許可が下りませんでした。
その3年後、GHQ側から日本軍によるマニラ大虐殺の記録集である
『マニラの悲劇』との合本とすることを条件に出版され、
紙不足の当時としては空前のベストセラーとなりました。
同年、歌曲「長崎の鐘」は
サトウハチロー作詞・古関裕而作曲で発売されて大ヒットし、
翌1950年(昭和25年)には
松竹により映画化されることとなります。
「長崎の鐘」の吹き込みは最初、
池真理子で行おうとレコード会社は考えていましたが、
歌詞を見た池さんは
「『長崎の鐘』は永井隆博士のご心境を歌ったものであるから、
男の人が歌うべき。」
と思い、尊敬していた藤山一郎へ吹き込みを切望し、
会社側を説得したというエピソードがあります。
アーティストならではのセンスというか、
さすがはプロの魂ですね。
サトウハチローの詞は単に長崎だけではなく、
戦災を受けた全ての受難者に対する鎮魂歌であり、
打ちひしがれた人々のために再起を願った詞です。
寛成さんはこの歌が自分自身の体験と重なり、
胸に迫るものがあるそうです。
大切に、心を込めて歌ってくださいました。
聴いていた私も、当時の人達の気持ちを思い、
平和の大切さを改めて心に刻むことができました。
「唄って!寛成さん」のコーナー、来週もお楽しみに!
『ごきげん千里837!(やぁ、みんな)』今を斬る!中野寛成です
パーソナリティ 中野 寛成・アシスタント 中村 佐織